Japanische Klassiker mit Furigana
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あまりもの
あまり者
徳永 直
Lesen Sie あまり者 (あまりもの) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.421 Zeichen · 17 Bildschirme
私の泣きつかれた頃に、ひょっこり姿を現わした兵さんは私を見ると大声で、どなりつけた。
「弱虫野郎ッ……」
私は驚いた。内ではあんなに従順な兵さんのこの態度は、まったく反逆だったからだ。
「俺がこうして、樹の枝を一つ一つ曲り角で、ヘシ折って行くから従いて来い」
兵さんは、そばの樹の枝を一つヘシ折って示した。そしてドンドン先に立って歩き出した。兵さんは、まったく私というものが足手まといで、自分の自由な活動を障害するものの様に思っていたのだ。
私は泣いても追つかなかった。
私は、ころんだり、傷したりしながら、猿のように敏捷な兵さんの後姿を追いながら山中をかけて歩いた。
やがて、私達は麓へ出た。
麓のだんだん畑には、霜がれた薩摩芋の蔓が、畑一面に萎えていた。芋蔓が枯れる時には、地中の芋は、まったく成熟し切っていた。私達は、お腹が空き切っていた。
兵さんは、あたりの野良に人かげのないのを見済まして、畝の中に手を入れて芋を掘りだした。大きな芋が五ツ六ツころげでた。私は悪事を平気で、しかも落ちつき払ってやっている兵さんの態度に驚いていた。
「黙ってろ―。家へ帰ってからそんな事を言ったら、これ、これだぞ」