Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あるよのあねとおとうと

ある夜の姉と弟

小川 未明

Lesen Sie ある夜の姉と弟 (あるよのあねとおとうと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.203 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

「すぐ、いってもいいの。」

「ええ、まいりましょう。」

「約束を守って、お姉さんはえらいなあ。」

「だれだって、お約束は守らなければ、いけませんよ。」

姉と弟は、出かけました。燈火がついて、町はにぎやかでした。

「あのおばさん、きているかしらん。」

しかし、その日は、縁日で、いつもよりかいっそう露店も人出も多かったのです。

やどかりを売るおばさんは、いつものところで店を出していました。子供たちは、昼間よりかたくさんいました。

けれど、義夫のほしいと思った、あの白い大きなやどかりは、姿が見えず、売れてしまったのです。お姉さんからほかのを買ってもらったが、がっかりしてしまいました。

義夫は前を向いて、さっさと歩きました。気がついてうしろを振り向くと、お姉さんは、かくれてしまいました。

「なにしてんだろうな。」と、やどかりの入ったブリキかんを下げながら、つぶやきました。やっと追いついたお姉さんは、

「義夫さんは、現金ね。ご用がすむとさっさと歩くんですもの。」

「お姉さんがのろいのだい。」

けれど、義夫は、このとき、自分のことしか考えぬ自分がなんとなくさびしく感じられました。