Japanische Klassiker mit Furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lesen Sie いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.226 Zeichen · 128 Bildschirme
それでお父さんが夏中旅行をしたら宜かろう、乃公が連れて行くと申出た。至極結構な思付だと言って乃公が賛成したけれど、賛成の為損をした。お歌さんと乃公が留守居をするのだそうだ。人を馬鹿にしている。
けれども世の中はよく言う通り何が幸福になるものだか分らない。お歌さんは乃公と一緒じゃ到底お留守番は引受けられませんと御免蒙った。此は道理である。姉さんは一度で懲り懲りしている。けれども斯うお出になるとは思掛けなかった。それでだんだん談話が甘くなって来たと喜びながら、乃公は庭で鯱鋒立をしていた。すると其処へポチが馳けて来て乃公の頭を甞めた。友達だと思っていやがる。
「ポチ、ポチ、音なしくしろよ。お前も一緒にナイヤガラへ連れて行ってやるぞ」
ポチは嬉しそうに尻尾を振った。犬の癖に人間の言葉が分るなんて生意気だから一つ頭を撲ってくれた。
出発の日は七月の何日だったか忘れてしまったが、何んでも夜の明けない中であった。森川さんとお春さんが停車場まで見送りに出ていた。家からはお歌さんとお島が来た。皆なお父さんとお母さんには御機嫌善く行って来いと挨拶して、乃公には音なしく行って来いと言った。