Japanische Klassiker mit Furigana
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いたずらこぞうにっき
いたずら小僧日記
佐々木 邦
Lesen Sie いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.226 Zeichen · 128 Bildschirme
乃公なんか御機嫌が悪くても善いと思って居るんだろう。それだから彼んな危い目に遇ったのだ。
「太郎さん、左様停車場毎に下りちゃ困るじゃないかね。危くて些とも目が離せません」
「いえ、ポチが何うなったかと思って見に行ったんですよ。早く夜が明けなくちゃ暗くて見えやしない」
「ポチを何うしたと言うの」
「ポチを連れて来たんですよ」
「連れて? 何処に入れてあるんです?」
「一番後の車へ結えてあるんですよ」
お母さんは顔色をかえて、
「あなた、大変ですよ、汽車を止めて被下」
とお父さんに頼んだ。
「何だ。何うしたんだ」
「早く鈴を鳴らして被下、早くしないと死んで仕舞いますよ」
乃公は非常報知機の紐をうんと引張った。汽車は今迄全速力で走っていたが恐ろしい音を立てて急に止った。乗客は皆青くなった。何か椿事が起ったと思ったのだろう。
お母さんは車掌に頼んで一番後の車を見て貰った。けれども汽車を止めるには及ばなかったのだ。ポチは最早いやしない。乃公が車の心棒に結び付けた細縄の端には犬の耳が片方付いていたばかりだ。ポチには真に気の毒である。一緒に見物をさせてやりたいばかりに飛んだ事をしてしまった。