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Japanische Klassiker mit Furigana

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いたずらこぞうにっき

いたずら小僧日記

佐々木 邦

Lesen Sie いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.226 Zeichen · 128 Bildschirme

Aozora Bunko

火事で慌てて入歯を忘れて飛出したんだろう。それから山田さんにも遇った。山田さんは頭に新聞紙を巻いていた。

「火事は何処ですか」

と聞くから、

「直ぐ此の向うです」

と答えた。山田さんは難有ともいわないで馳けて行った。乃公も少し寒くなったから大急ぎでおっ走って来た。

朝御飯の時にお歌さんが大きな饅頭をくれた。朝っぱらから菓子をくれるなんてお歌さんにしては珍らしい。何処かに葬式でもあったのだろうと思って、一口喰ったら驚いた。綿で拵えたんだ。此は甘く担がれたと気が付いたら、お歌さんは「四月馬鹿、かかった掛った」と笑った。お春さんも笑った。お島は初めから笑っていた。畜生め。

乃公は学校へ行く積りで家を出たが、余り忌々しいから、郵便局へ行って電報を打ってやった。

「ハルコビヨウキ、キテクレ」

森川さんは車で馳けつけるだろう。尤もお春さんが丈夫でも一日置きには大抵来る。

それから乃公は花屋へ行った。此の花屋は極先達越して来たてのホヤホヤだから無論乃公の顔を知らない。乃公は此間井上さんが遊びに来たまえといって呉れた名刺を出して、上等の花を五円ばかり束にして、お春さんの許へ持って行けと誂えた。