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Japanische Klassiker mit Furigana

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いわゆる「はんせい」はわれわれをすくうか

いわゆる「反省」は我々を救うか

岸田 国士

Lesen Sie いわゆる「反省」は我々を救うか (いわゆる「はんせい」はわれわれをすくうか) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.229 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

もともとこの自習時間は、いわゆる勉強家にとつては大事な時間、怠けものにとつては厄介な時間であつた。なぜかと云えば、何時なんどき当直の生徒監が見廻りに来るかわからず、若し、その時、ちやんと「自習」をせず、無駄口を利いたり、居眠りをしたり、ストーヴにあたつたりしているのをみつかると、生徒監おのおのの流儀で油をしぼられるからであつた。ところが、ちようどその日の生徒監は、なかなか粋の利く新任中尉で、自習室へはいつて来る前から、佩剣の音をわざと高く立て、それは長靴のかゝとで指揮刀のさやを蹴りつゝ歩く一種の青年士官の気取りでもあるが、生徒たちは、あらかじめそれを知つていて、その日はみな安心して、やりたいことをやつていた。が、やがて、ガチャリガチャリと廊下をこちらへ近ずいて来る音が聞えだした。それツという警報にそれは似ていた。自習室は、すべてがそうあらねばならぬように整えられ、君子も小人も、一様に書見台を前にし、鉛筆をけずり、辞書をひろげ、計算棒をにらみ、そして、粛然と、週番生徒監の入来を待つたのである。私は、この時、ふと、ある好奇心のようなものが浮び、それまで別にわるいことをしていたわけでもなかつたが、突然、両肘を枕にしてぐつすり寝込んでいる風を装つてみたくなつた。