Japanische Klassiker mit Furigana
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うすゆきしょう
うすゆき抄
久生 十蘭
Lesen Sie うすゆき抄 (うすゆきしょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.454 Zeichen · 59 Bildschirme
「父上、四つ目の真中にゝのあるのばかり出て、ちっとも先へ進まれません。五ノ目を外した賽はないものでしょうか」
などと甘えかかるところは、誰が見てもまったくの子供なのである。昨夜、裏庭の月明りの中で目睹した一件は、狐狸の仕業か草木の精のあやかしだったのではなかろうか。あどけない行子の顔を頭においては、なかなか現実のこととは思えないけれども、しんじつ娘だけの才覚でやり終わしたのだったら、これはもうとてものことなので、行子の頭のできぐあいを知っておくためにも、その点をきっぱりと突きとめておかなくてはならぬと思い、とりあえず御料人と長男の道長が朝餉をしているところへ出かけて行った。
道益は朝の餉にしている牛の乳を金椀でやりつけながら、まず、は、は、はと思出し笑いをし、それから、昨夜、磧で聞いた鰻掻きの下人どもの側言をおどけた口で話してきかせると、そのかみの才媛は、箸も置かぬしいんとした形で首から上だけをこちらへまわし、つくづくと道益の顔をながめてから、
「ご冗談でしょう。この私がつづきの部屋に臥っていることをお忘れですか。昨夜は、庭の池にたくさん田鶴が降りましたようですね。