Japanische Klassiker mit Furigana
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おかよ
おかよ
山本 周五郎
Lesen Sie おかよ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.116 Zeichen · 19 Bildschirme
「おお、印東は生きているんだ」みんな息をのんだ。
さよう弥次郎は生きていた、彼は射たれさえもしなかったのだ、敵の弾丸が集中するのは、城壁の十間から此方だ、その距離を突破すれば弾雨を避けられる。彼はその距離だけ敵の眼をくらまそうとしたのだ。――これは鎌倉八幡宮のお札です。おかよの言葉が、ありありと耳に甦った。――これをお肌に着けていれば、決して矢弾丸には当りません。どうかそれをお忘れにならないで下さい。彼はその札を肌に着けていた。矢弾丸に当らぬという神護をたのんだのではない、それに籠っているおかよの真心を離さぬためであった。彼は角櫓の正面にある矢狭間を塞ごうと思っていた、それを塞ぎさえすれば死んでもよい、しかし塞ぐまでは矢弾丸に当ってはならぬと思った。「なむ弓矢八幡」はじめて弥次郎は神に念じた、念じながら、じりじりと這い進んだ。五間、十間、いいようのない困難をもってついに目的の距離を突破した彼は、「よし」とみるなり臥破とはね起き、脱兎の如く城壁へ走せつけた。……矢狭間から射ちだす弾丸は飛霰のように彼の上へ襲いかかった、しかし彼はすでに城壁へとりつき、ましらのようにそれを攀じ登っていた、そのとき隘路へは敢死隊の人数が「今をはずすな」