Japanische Klassiker mit Furigana
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おかよ
おかよ
山本 周五郎
Lesen Sie おかよ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.116 Zeichen · 19 Bildschirme
「いいえ、いいえあなたは御出陣なさいます、だって」とおかよは烈しくかぶりを振った、「いまこそ御出世の時が来たのですもの、あっぱれ功名お手柄をなすって、どのようにも御立身あそばす時ですもの」
「でもおかよさん」
「あなたはまた、そんな勇士ではないとおっしゃるのでしょう、それはあたりまえです、誰だってはじめから勇士豪傑だという方はございません、初陣には、どなたでも気後れがするものだとうかがいました、……印東さま、この中にあるお札は鎌倉八幡宮の御守りで、何人ものお方が戦場へ着けておいでになり、矢にも弾丸にも当らず、りっぱなお手柄をたてたものでございます、このお札さえお肌に着けておいでになれば決しておからだにけがはございません、どうぞ勇ましく御出陣のうえ、存分のおはたらきをあそばしてくださいまし」
「……わかりました、ではありがたく貰います」
「鎌倉八幡宮のお札でございますよ」
おかよの眼は妖しいまでに燃えていた、その言葉つきにも、火のような情熱がこもっていた。それは十八の娘のものではなかった、姉となって弟を励まし母となって子を奮い起たせる密やかな愛情であった。