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Japanische Klassiker mit Furigana

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おせん

おせん

邦枝 完二

Lesen Sie おせん von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.074 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰から聞かねえでも、おいらの眼は見透しだて。――人間は、四百四病の器だというが、重さん、おめえの病は、別あつらえかも知れねえの」

春重は、きょろりとあたりを見廻してから、一段声を落した。

「ちょいと家へ寄らねえか。おもしろい物を見せるぜ」

「折角だが、寄ってる暇がねえやつさ。これから大急ぎで、おせんの見世まで行かざァならねえんだ」

「おせんの見世へ行くッて、何んの用でよ」

「何んの用だか知らねえが、春信師匠が、急に用ありとのことでの」

八五郎は、春信から預った結文を、ちょいと懐中から窺かせた。

紅

一

ゆく末は誰が肌触れん紅の花  ばせを

「おッとッと、そう一人で急いじゃいけねえ。まず御手洗で手を浄めての。肝腎のお稲荷さんへ参詣しねえことにゃ、罰が当って眼がつぶれやしょう」

「いかさまこれは早まった。こかァ笠森様の境内だったッけの」

「冗談じゃごわせん。そいつを忘れちゃ、申訳がありますめえ。――それそれ、何んでまた、洗った手を拭きなさらねえ。おせんは逃げやしねえから、落着いたり、落着いたり」

「御隠居、そうひやかしちゃいけやせん。堪忍堪忍」

「はッはッはッ、徳さん。