Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おせん
おせん
邦枝 完二
Lesen Sie おせん von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.074 Zeichen · 148 Bildschirme
――のうおせんちゃん。あの時お前は何んといいなすった。あたしゃ死んでる人形は欲しくない。生きた、魂のこもった人形をこさえておくんなさるなら、どんな辛抱でもすると、あれ程堅く約束をしたじゃァねえか。――江戸一番の女形、瀬川菊之丞の生人形を、舞台のままに彫ろうッてんだ。なまやさしい業じゃァねえなァ知れている。あっしもきょうまで、これぞと思った人形を、七つや十はこさえて来たが、これさえ仕上げりゃ、死んでもいいと思った程、精魂を打込んだ作はしたこたァなかった。だが、今度の仕事ばかりァそうじゃァねえ。この生人形さえ仕上げたら、たとえあすが日、血へどを吐いてたおれても、決して未練はねえと、覚悟をきめての真剣勝負だ。――お前さんが、どこまで出来たか見たいという。その心持ァ、腹の底から察してるが、ならねえ、あっしゃァ、いま、人形を塗ってるんじゃァねえ。おのが魂を血みどろにして、死ぬか生きるかの、仕事をしてるんだからの」
由斎の声を聞きながら、ひと足ずつ後ずさりしていたおせんは、いつか磔にされたように、雨戸の際へ立ちすくんでいた。
三
ひと目でいい、ひと目でいいから会いたいとの、切なる思いの耐え難く、わざと両国橋の近くで駕籠を捨てて、頭巾に人目を避けながら、この質屋の裏の、由斎の仕事場を訪れたおせんの胸には、しとど