Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おもちゃのこうもり
おもちゃの蝙蝠
佐藤 春夫
Lesen Sie おもちゃの蝙蝠 (おもちゃのこうもり) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.395 Zeichen · 3 Bildschirme
あるところに一匹のコーモリがいた。それはオモチャで、ボール紙を切り抜いてその上に紫いろのアートペーパーがはりつけてあった。そして小さなゼンマイ仕掛でバタバタと飛ぶように出来ていた。
ところがある日、このコーモリがどうしたのか、それをこしらえた職人の店へ帰って来た。それは街に青い瓦斯燈がまたたき出した頃で、職人がその一日の仕事を終えてその木の馬や鳥や、それからそのコーモリの弟である沢山のコーモリなどをかたづけてから、煙草に火をつけて一ぷく吸っている時であった。その時、職人はむこうの角の方から地面とすれすれに鳥のようなものがヒラヒラとこちらへ飛んで来るのを見た。
しかし職人はすぐそれが自分のこしらえたコーモリであるということに気がついた。はて何かわすれた仕掛でもあったかな――あまりゼンマイが弱すぎていたかな――と思いながら見つめていると、コーモリは窓から職人の坐っている仕事台の上へコツンと降りた。
「どうしたんだい?」
職人はやや心配しながら、またいたわるようにこう問ねた。
するとコーモリの言うのには、
「天が高うて昇られない。」
「そうか。」
と言って職人はやはりゼンマイが弱かったと思いながら、コーモリを手に取り上げてしらべてみた。