Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おくみさんとそのしゅうい
お久美さんと其の周囲
宮本 百合子
Lesen Sie お久美さんと其の周囲 (おくみさんとそのしゅうい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.369 Zeichen · 149 Bildschirme
そんな事を思うに熱中して居たお関には、今主人が何を云って居るのだか、前に背中を並べて居る者達が何を云って居るのだか、さっぱり知らないで居た。
いつの間にか皆が皆首をズーッと下げて額を手で支えて中に自分一人ポッツリと頭をあげて居ぎたなく横座りに仕て居るのを気づくと、お関は周章てて前をかき合せて恭の顔色をうかがいながら下を向こうとした時、土間の方で誰かが案内をたのんで居るのが聞えた。
お関は好い機にして立って行って見ると、北海道へ久しく行って居た清川と云う、主人と親しく仕て居る男が、まだ着いた許りと見えて鞄を片手に下げて立って居た。
「まあ、誰かと思ったら貴方で居らっしゃるんですね。さ、どうぞお上り下さいまし。
今申して参りますから。
お関は客を暗い土間に立たせたまま主人の所へ引き返して臆面もなくズカズカと皆の前に立って、
「まあ、貴方、清川さんが行らしったんですよ。
お上げしましょう。
早くいらっしゃい。
と云うなりバタバタと馳けて行った。
静かに思いをこらして居た皆の者はあっけに取られて意外な破壊者を見送って、どうするのかと決心をうながす様に主人に目を向けた。