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Japanische Klassiker mit Furigana

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おりつとこらと

お律と子等と

芥川 竜之介

Lesen Sie お律と子等と (おりつとこらと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.195 Zeichen · 51 Bildschirme

Aozora Bunko

翌日の朝洋一は父と茶の間の食卓に向った。食卓の上には、昨夜泊った叔母の茶碗も伏せてあった。が、叔母は看護婦が、長い身じまいをすませる間、母の側へその代りに行っているとか云う事だった。

親子は箸を動かしながら、時々短い口を利いた。この一週間ばかりと云うものは、毎日こう云う二人きりの、寂しい食事が続いている。しかし今日はいつもよりは、一層二人とも口が重かった。給仕の美津も無言のまま、盆をさし出すばかりだった。

「今日は慎太郎が帰って来るかな。」

賢造は返事を予期するように、ちらりと洋一の顔を眺めた。が、洋一は黙っていた。兄が今日帰るか帰らないか、――と云うより一体帰るかどうか、彼には今も兄の意志が、どうも不確かでならないのだった。

「それとも明日の朝になるか?」

今度は洋一も父の言葉に、答えない訳には行かなかった。

「しかし今は学校がちょうど、試験じゃないかと思うんですがね。」

「そうか。」

賢造は何か考えるように、ちょいと言葉を途切らせたが、やがて美津に茶をつがせながら、

「お前も勉強しなくっちゃいけないぜ。慎太郎はもうこの秋は、大学生になるんだから。」と云った。