Japanische Klassiker mit Furigana
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おじぎ
お時儀
Lesen Sie お時儀 (おじぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.067 Zeichen · 9 Bildschirme
お嬢さんは背は低い方かも知れない。けれども見たところはすらりとしている。殊に銀鼠の靴下の踵の高い靴をはいた脚は――とにかく自然とお嬢さんのことを考え勝ちだったのは事実かも知れない。………
翌朝の八時五分前である。保吉は人のこみ合ったプラットフォオムを歩いていた。彼の心はお嬢さんと出会った時の期待に張りつめている。出会わずにすましたい気もしないではない。が、出会わずにすませるのは不本意のことも確かである。云わば彼の心もちは強敵との試合を目前に控えた拳闘家の気組みと変りはない。しかしそれよりも忘れられないのはお嬢さんと顔を合せた途端に、何か常識を超越した、莫迦莫迦しいことをしはしないかと云う、妙に病的な不安である。昔、ジァン・リシュパンは通りがかりのサラア・ベルナアルへ傍若無人の接吻をした。日本人に生れた保吉はまさか接吻はしないかも知れないけれどもいきなり舌を出すとか、あかんべいをするとかはしそうである。彼は内心冷ひやしながら、捜すように捜さないようにあたりの人々を見まわしていた。
するとたちまち彼の目は、悠々とこちらへ歩いて来るお嬢さんの姿を発見した。