Japanische Klassiker mit Furigana
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おかあさんのおちち
お母さんのお乳
小川 未明
Lesen Sie お母さんのお乳 (おかあさんのおちち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 646 Zeichen · 2 Bildschirme
赤ちゃんは、お母さんのお乳にすがりついて、うまそうに、のんでいました。
それをさもうらやましそうにして、五つになったお兄さんと、七つになったお姉さんとがながめていました。
兄さんは、ついに我慢がしきれなくなったとみえて、お母さんのお乳に、小さな手をかけようとしました。すると、赤ちゃんは、顔を真っ赤にして、かわいらしい頭をふって、さわってはいけないといって怒りました。
「よし、よし、お兄さん、おっぱいにさわってはいけませんよ。これは、赤ちゃんのお乳ですから。」と、お母さんは、笑いながらいわれました。
お姉さんも、またお兄さんも、笑いましたが、お兄さんは、なんとなくさびしそうでした。そして、お母さんに向かって、
「お母さん、赤ちゃんは、いじわるですねえ。」といいました。
「坊やも、赤ちゃんの時分は、やはりおなじだったのだよ。」
「お母さん、僕もこんなに、いじわるだったの?」
「赤ちゃんが生まれるまでは、坊やが、毎日こうして、母さんのおっぱいにぶらさがっていたの。そしてお姉ちゃんが手を出そうものなら、やはり、こうして顔を真っ赤にして怒ったの……。このお乳のまわりには、みんなの唇の跡が、数かぎりなくついているのです。