Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさん
お父さん
林 芙美子
Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme
夜になってお月様の出るのがいちばん好きでした。豚はお月様が出る夜だと、ひとりできもちよさそうに唄をうたいました。
それはこんな唄です。
お月様
わたしはきばがほしいのです
いのししになって
お山のなかの森のふかいところへ
わたしのおうちをつくりたいのです
森のけものが
みんなでわたしをうやまうように
わたしに大きいきばを下さい
わたしは山の大将になりたいのです
いのししはつよいです
わたしはいのししになりたいのです
豚はお月様にこんなおねがいごとをしました。豚はとうとういのししになりました。いのししになると、急におなかが空いてしかたがないのです。自分のそばでよくねんねしている鶏のひよこを食べようかと思いました。鶏とは大変仲がよかったけれど、もういのししになったのですから、豚は何となくいばってみたくて鶏を起しました。
「おいおい鶏さん起きないか」
「あら、もう夜があけたのですか、豚さん」
「まだ夜中だよ、いいお月様だよ」
「あああかるいのはお月様のせいですか」
「鶏さんは、わたしのこのきばが見えるだろう」
「きば」
「わたしはねえ、今夜からいのししになったんだぜ」
「まア、いのししに、まだ、何もみえないけれど、どうしてきばなんか持ってきたんですか?」