Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさん
お父さん
林 芙美子
Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme
って、ききますと、おとうさんは、
「こら、子どものくせに生意気いうでない」って笑っています。
僕のおとうさんは、いつもにこにこしています。すこしもしかりません。
「今日はおとうさん、お金持ですね」
と僕がききますと、
「そりあそうさ」
と笑っています。
夜、静子にきいたら、おとうさんは、どこかのおじさんをつれて来て、本だのレコードだのお売りになったのだそうです。
おとうさんは、とても音楽が好きでした。
僕はいつも、おとうさんがかけて下さるモルドウというのが好きでした。それから四台のピアノも好きです。モルドウというのは、河の流れを曲にしたのだそうで、山の奥から街の中へ流れて行くまでの河のすがたが目にみえるようです。
モルドウを売られては淋しいと思いました。それから、本もおとうさんは大切にしておられたので、何だか気の毒に思いました。
「おとうさん、本だなのレコード売ったんですか」
「ああ、あんなもの、焼けたと思えば何でもない、よその人が、たのしんでくれると思えばいいんだよ」
「モルドウはどうしたの」
「ああ、あれはまだあるよ」
「ああよかった」
「でも、いまに蓄音機も売ってしまうかもしれないよ」