Japanische Klassiker mit Furigana
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おさかなじょし
お魚女史
Lesen Sie お魚女史 (おさかなじょし) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.457 Zeichen · 19 Bildschirme
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お魚女史が二度目に私を訪ねてきたのは、春の嵐の夜であった。そのとき私の家には三人の来客があって、お酒をのんでいた。こんな嵐に人を訪ねてくるのは、多忙な記者でなければ、よっぽどヒマな怪人にきまっている。
一人は弁吉である。彼はお酒をのまない。元々ネジが狂っているから、お酒の必要がないのだろう。
あとの二人が一まわり大きな怪人で、だから、カラダも大きい。が甲羅をへて見た目は立派な紳士である。一人は凹井狭介という評論家で、一人は般若有効という小説家である。マルイのが凹井で、ヒョロ高いのが般若であった。曲者らしい大男が濛々と酒気をたてゝ大アグラをかいており、その横に弁吉がチョコンと坐って、ニヤリニヤリしている。
お魚女史は、
「あらア、コンバンハア」
と云って、目をまるくしたが、二人の曲者が凹井狭介に般若有効という文士で、私の友人だと云って紹介すると、にわかに懐しがって、
「あらア、愛読してますわア。あらア、あの新聞の小説ねエ。あれ、いゝですわア。お上手ネエ」
凹井も般若も、新聞なんかに書いてやしない。デタラメなのだ。お魚女史は純文学などはロクに知らないから、凹井や般若の名前など知ってる筈がないのである。