Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「否、文学者だよ」
と僕は答えた。
「文士と文学者とは違うのかい?」
と森下君は怪訝な顔をした。
「それは違うさ。文学を玩味する能力のあるものは文章を書く書かないに拘らず皆文学者さ。そうして文章を書いて食っているものは文学を玩味する能力の有る無しに論なく皆文士さ」
と僕はお父さんの受売をした。実は文士だと言いたかったのだが、愚迂多羅は理窟を捏ねるばかりで少しも書かないから仕方がない。
「それじゃ君のお父さんはその書かない方の口だね?」
「そうさ」
「それじゃ僕のところも文学者と言うと宜かったにな。親父は始終講談本を読んでいる」
と森下君は残念がった。
家に着くと例によって客が来ていた。平常は誰が来ていようと一切無頓着だが、今日はお父さんに関係あることゝいえば何でも注意を惹く。僕は机に坐った儘何時の間にか客間の談話に聞耳を立てゝいた。お客さんは三輪さんだった。又学校へ出るように勧めに来て呉れたのなら天の与え、僕も及ばずながら加勢をしよう等と考えていると、
「僕もイヨ/\何かやらなくちゃならない。今に/\と思っている中に年が寄ってしまうね」
とお父さんが言った。