Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぐうたらどうちゅうき

ぐうたら道中記

佐々木 邦

Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme

Aozora Bunko

としても同じことさ」

「恐れ入った解釈だね。すると『伊勢は津で持つ』という歌はこの土地じゃ謡わないんだね?」

「否、謡いますよ。あの方が矢っ張り真正です。現に昨夜も魚の棚で……」

と徳さんがうっかり口を辷らすと、

「魚の棚だって? 困るぜ、徳さん。もうあすこへは足踏みをしないという条件で僕が詫びてやったんじゃないか」

と団さんは眉毛を顰めた。

間もなく僕達は濠を距てゝ真正面に天守の見えるところへ来た。

「鯱が眩いようでしょう?」

と徳さんは指さしながら、

「昔柿の木金助というものが大きな凧に乗ってあの鯱の鱗を一枚剥ぎ取ったことがあります。それ以来あの通り金網を張って警戒し、半紙百枚以上の凧は御法度になりました。金助の剥したのは右の雌鯱で、その遠眼鏡で御覧になると一枚足らなくなっているところがよく分ります」

と説明してくれた。

「成程、見える。右の奴の口元だ」

とお父さんは逸早くお茶屋の遠眼鏡を覗いていた。つゞいて皆代り/″\に鯱の魚に見参している間も、

「この鯱を鋳るに慶長大判を千九百四十枚潰しました。鱗一枚でも一身上ですから、金助が悪心を起したのも無理はありません。