Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
第一色が黒い。原則を証明する例外という組かね?」
と三輪さんは思う通りを口に出す。
「私のは東京の影響です。これでも伊勢の人よりは白いのです。私の姉婿は伊勢から来ましたが、私ほどの色になるのに五年かゝりましたよ。彼方の人は潮風に吹かれるから実に黒いです」
「小便系と美人系ですな」
とお父さんは手帳に認めた。
「その美人系もこの上野が中心です。妙なお話ばかりするようですが、この土地は有名な妾宅地です。伊賀では上野に妾宅を構えていないものは紳士といえないことになっています」
「成程、東京でも結局其処へ帰着しますね。あなたは未だ紳士の資格がありませんか?」
と団さんが笑いながら訊いた。
「前途遼遠ですな。親父の脛を齧って銀行へ出ているんですもの、迚もあかんです」
と松本さんは然も心細そうに言った。
田鶴子さんは未だ手紙を書いていたが、この時、
「謙さん、あなたは今日も絵ハガキで済ましてしまって真正に狡いわね。私、鍵屋の辻で未だ手間を取っているのよ、彼処は、『ひだり奈良道』でしたかね?」
と僕に確めた。
「ひだり奈良道ですよ」
と松本さんが答えた。そうして、
「彼処は上野一番の名所です。