Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
と田鶴子さんが懐しがった。
帰途橋のところから少し溯って松浦岩に敬意を表した。潮の加減で側まで行けないのは遺憾だったが、案の外大きなもので、築山ぐらいある。幾つかは割れて、間から枝振の好い松が一本生えている。
「大きな岩ね」
と田鶴子さんも驚いたようだった。
「お前のお母さんぐらいな大女だったと見えるね」
と団さんが言った。
「厭なお父さん! 佐容姫はこの辺で身を投げたんですわ」
「そんなことが何かにあったかなあ?」
とお父さんが本気にした。
「そうして死骸が海へ流れてしまって揚がらなかったもんですから、里人達は石になったと思い込んだんでしょう」
と田鶴子さんは新しい解釈を下した。
昨日は一日雨に降られた。唐津からこの長崎までの間車窓の景色さえも碌々楽むことが叶わなかった。物事が都合好く運ばないと他人に罪を着せたがるのが人情の常だ。僕は学校が後れると女中やお母さんの所為にする。ところが天候が如何に思わしくなくても、苦情の持ち込みどころがない結果として、然ういう時には天気予報が兎角問題になる。平常は全く無頓着でいるが、雨が降ると不快感の洩らし口を探す為めに新聞の欄外を検めるのだから性質が悪い。