Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
とお父さんは手帳を取り出した。
「此奴は調法だ。他人の揚げた芸者で用が足りる」
と団さんが笑った。
「三輪君、三輪君。もう出掛けるぜ」
と渡辺さんは寝ている三輪さんを呼び起した。
馬町の停留場へ出る途中、
「此方は町が何処も敷石になっているから歩き宜いわね。これでは雨が降っても足駄は要りますまい」
と田鶴子さんはイソ/\して歩いた。全く心持ちの好いところだ。
「坂道は皆石畳になっています。初めて来た人は何よりもこれが目につくようです」
と渡辺さんが言った。
電車から下りて浜ノ町へ差しかゝった。此処が一番賑かな通だそうだ。名物の※甲細工を売っている店頭で、
「何だ、『長崎の山から出たる月はよか、こんげん月はえっとなかばい』か。蜀山人とある」
とお父さんは※甲の盆というのに惹きつけられた。
「蜀山は此処で役人をしていたんだよ。しかしこの歌は少し違っている。確か『彦山の峰から出たる』というんだが、彦山の峰では地方的で世間へ通じが悪いから長崎の山と改めたらしい」
と渡辺さんが註釈をした。団さんは最早店へ入って※甲の櫛を見ている。例にないことなので、
「細君へお土産を買うのかい」