Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
実際心細いんですよ。けれども謙さんは悧巧な子供というよりも、年を取らない大人のようですって、私、この間も奥さんにそう申上げたくらいですから、何卒年を取った子供の面倒を見て戴きたいと存じましてね……」
と奥さんはナカ/\僕を放さない。此方が相手にならなくってもこの通りだから、お母さんが来ると半日仕事になるのも道理だと思った。幸いそこへ三輪さんが帰って来たので、僕は助かった。
「あなた帽子が違っていやしませんの? 又」
と奥さんは早速咎めた。細君によっては第三者のいるところで、良人を扱き下すのを得意としないまでも情愛の移っている証明と心得ている。
「然うかな? 少し大きいような気がしたけれど、髪を刈った所為だと思っていた。見てお呉れ」
と三輪さんは帽子を脱いで奥さんに渡した。この通り最初から諦めて自分の持ち物の識別を他に頼むぐらいの頓着なしだから、奥さんも世話が焼ける。尤も他所とは家風が異って帽子でもネクタイでも皆奥さんが買って当てがうのだそうだから、自分で撰って来る人ほど見覚えのないのも無理はない。
「矢っ張りあなたのですわ。この紺は何うして斯う早く褪めたのでしょう?」