Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
芝居には寅の年寅の月寅の日寅の刻に生れた女さえあるじゃないか?」
「芝居の話で実世間の問題を解釈されちゃ張合が抜けるね。田口君も大いに趣向を凝らした積りだろうが、悲しい哉、相手を見損っているようだ」
「趣向はちゃんと通じている。見給え。景物の方は今処分してしまったじゃないか? このピンのは息子で、カフス釦のは両親さ。落しっこない性質のものを三輪君の方へ廻した理由も、我れ天眼通にはあらざれどもだ、ハッハヽヽ、分っているよ。何うだね。もう好い加減に逐一白状してしまい給え」
とお父さんは大きく出た。
「おや/\、悪事露顕に及んだかな。まあ待って呉れ給え。この汽車には食堂がないからこゝで弁当を買わなければならない」
と団さんは折から国府津に着いたので急いで出て行った。向いの奥さんはこゝで下りるとあって、頻りにお礼を言った後、坊ちゃんを抱き上げ、坊ちゃんは虎を抱いて、
「はいちゃ/\」
と幾度もお辞儀をした。
弁当を喰べてしまうと、大人連中は煙草を喫いながら又話し始めた。
「すぐに僕と目星をつけたところは案外慧眼だね」
と団さんは悪びれた様子もなく罪に服してしまった。