Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
「吾人は須らく現代を超越せざるべからず……か。仁丹の広告見たいだね。樗牛という人は自家広告が上手だった丈けに景色の好いところへ持って来たよ。何だか物欲しそうで一向超越していない」
とお父さんは不平らしかった。
「成程ね。今車屋も高山博士の墓がございますと手柄顔に言っていたよ。博士ぐらいで石塔が名所になっているのはこの人ぐらいなものだ。よく目的を達している」
と三輪さんも同感だった。
「文科かい? この男は。工科は損だね」
と団さんまで不足を言った。
「兎に角好い眺望でしょう? こう晴れて富士に全く雲のない日は滅多にありません。あの海に突き出しているのが三保の松原です。おい、車屋さん、黙っていないで少し助太刀をしてくれないか?」
と庭へ下りてから仙夢さんが促した。すると僕の車屋がバットの火を消して耳に挾み、二三歩進み出て、
「あの岬はあの通り鼻が三本に分れているので三保と申します。一村になっておりまして、渡米労働者を出すこと県下一番という評判でございます。謡曲の『羽衣』でお馴染の松は沖合の鼻にありまして、富士山の眺望は全国一、日本新三景の一つとして元帥東郷閣下様御自筆の碑が立っております。