Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
と朝起きると間もなく女中が姿を現して訊いた。
「然う、昨夜の通りで宜いよ」
とお父さんが答えた。僕は少時の間皆の来るのを待っていたが、一向音沙汰がなかったから、隣室の三輪さんを覗いて見た。寝坊にも似合わず最早キチンとして新聞を読みながら却って此方を待っているようだった。もう一つ隣りの団さんの部屋では田鶴子さんが人待ち顔をしていた。しかもお膳が五人前並んで、お給仕の女中が二人控えている。そこで僕は三輪さんとお父さんを促して団さんの部屋に入った。
「驚いたね。旦那様のお座敷というのは此処のことかい?」
とお父さんは座蒲団に坐るとすぐに言った。
「僕も自分の部屋の積りで今まで待っていたんだよ」
と三輪さんも案外のようだった。
「やっぱり旦那様に見えるかね? 恐ろしいもんさ。悪いことは出来ないよ。姐さん達は商売柄で流石に目が高い」
と団さんはそのまゝ旦那様に成り澄ました。
「狂言をお書きになっても駄目でございますわ。この坊ちゃんがこの旦那のことを旦那さん/\と仰有るじゃありませんか?」
と女中の一人が退っ引きさせないという態度を示した。
「はゝあ、団さんが旦那さんに通じたんだね」