Japanische Klassiker mit Furigana
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けむりをはかぬえんとつ
けむりを吐かぬ煙突
夢野 久作
Lesen Sie けむりを吐かぬ煙突 (けむりをはかぬえんとつ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.836 Zeichen · 28 Bildschirme
私がすべての生命に対して特別に敏感な人間である事を証明し得る者がどこに居よう。
私は現代社会の堕落層に住む寄生虫である。卑怯者と呼ばれても悪党と罵しられてもビクともしないであろう一種の冒険を、特に「金」というものに対して試み続けて来た人間である。……況んや今度という今度ばかりは、思いがけない機会から非常に世間のためになる……被害者自身でさえも感謝しているであろう痛快な仕事を果してやったつもりでいる。六千円位の報酬では足りないと思っている位だ。
私はこれから後もこの意味で世間へ挑戦してやろうと考えている。この事件を記録した一冊のノートと六千円を資本にして……。
身におぼえのある堕落資本家諸氏よ。警戒するがいい……。
外はモウ明るくなって来たようだ。
ここいらで一服してみよう。
私は今朝の零時半キッカリに、南堂伯爵未亡人を、その自宅に訪問した。
むろん、それは尋常一様の訪問ではなかった。手早く言えば脅喝の目的であった。
私は日本屈指の大新聞、東都日報の外交部につとめる傍ら、本郷西片町の小さな活版屋で、家庭週報という四頁新聞を、毎日曜毎に発行していた。