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Japanische Klassiker mit Furigana

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こがらし

こがらし

岩本 素白

Lesen Sie こがらし von 岩本 素白 (いわもとそはく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.845 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

耶蘇教というものは、死者の手足を十字架に釘で打ちつけて葬るものだというのである。私もそういう絵は見たことがあった。白い顔をして髯をのばし、十字架にかかって手足の肉から血のにじみ出た基督、それは異教徒の子供には気味の悪い絵であった。こがらしの吹きすさんで居る中で、そういう教祖の受難の形をそのまま死者に行うという話を聞いて居ると、ひどく恐しくなるが、私達は怖い物見たさの好奇心で、葬列の来るのを待って居た。やがてそれが来たが、黒い布を掛けた、平たい柩が比較的人数の少い葬列に随われて静かに歩いて来ただけで、別に気味の悪い変ったものではなかった。十字架を担いだ人も交っては居たが、それは単に木で造ったもので、もし死者が手足を釘で打付けられて居るとすれば、それは彼の柩の中にそうされて居るのかと思った。強いこがらしの中を、葬列は門をはいって暗い墓地の方へ消えて行った。いつもは思いもよらぬわるさを仕出す悪童達も、今日は誰もそれに随いて行って見ようとする者がなかった。

私は其の時から遥か年を経て、津の国の昆陽寺から黄金の交って居る釣鐘を盗み出す群盗の話を読んだ。話は昔の中国の偸盗説話に繋るような狡智をきわめた手段を用いたもので、それは、黒風吹きすさみ、人々も家の戸を閉じて居たような日に行われた面白い話であった。