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Japanische Klassiker mit Furigana

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さかずきのりんね

さかずきの輪廻

小川 未明

Lesen Sie さかずきの輪廻 (さかずきのりんね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.603 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

みんなは、陶器について、見分けるだけの鑑識はなかったけれど、そういわれてのぞきますと、さすがに名人の作だという気が起こりました。

「ねずみの下にある、実のなっています草は、なんでございましょうか?」と、女房はきいた。

「これは、やぶこうじだ。なんといいではないか。」と、彼は、こう答えて見とれました。

「ようございますこと。」

「ここが、名人じゃ、自然の趣きが、こんな小さなさかずきの中にあふれている感じがする。」

「しかし、よく、こんなさかずきが、見つかりましたものでございますこと。」

「世の中には、ほんとうの目あきというものは少ないのだ。」

「いくら、名人が出ましても、ほんとうにわかる人がなければ、知られずにしまうのでございましょうね。」

「そうだ。」

彼は、こんな話をして、当座は、名人の作ったさかずきが、手にはいったことを喜んでいました。

「このさかずきだけは、わらないようにしてくれ。」と、彼は、家内のものに、よくいいきかせました。

女房をはじめ、家内のものは、そのさかずきを取り扱うことが怖ろしいような気がしました。

「どうか、このさかずきは、箱にいれて、しまっておいてくださいませんか。