Japanische Klassiker mit Furigana
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すみだがわ
すみだ川・新橋夜話 他一篇
永井 荷風
Lesen Sie すみだ川・新橋夜話 他一篇 (すみだがわ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.378 Zeichen · 88 Bildschirme
さらばこのまま路地口に立っていて、お糸が何かの用で外へ出るまでの機会を待とうか。しかしこれもまた、長吉には近所の店先の人目が尽く自分ばかりを見張っているように思われて、とても五分と長く立っている事はできない。長吉はとにかく思案をしなおすつもりで、折から近所の子供を得意にする粟餅屋の爺がカラカラカラと杵をならして来る向うの横町の方へと遠かった。
長吉は浜町の横町をば次第に道の行くままに大川端の方へと歩いて行った。いかほど機会を待っても昼中はどうしても不便である事を僅かに悟り得たのであるが、すると、今度はもう学校へは遅くなった。休むにしても今日の半日、これから午後の三時までをどうして何処に消費しようかという問題の解決に迫められた。母親のお豊は学校の時間割までをよく知抜いているので、長吉の帰りが一時間早くても、晩くても、すぐに心配して煩く質問する。無論長吉は何とでも容易くいい紛らすことは出来ると思うものの、それだけの嘘をつく良心の苦痛に逢うのが厭でならない。丁度来かかる川端には、水練場の板小屋が取払われて、柳の木蔭に人が釣をしている。それをば通りがかりの人が四人も五人もぼんやり立って見ているので、長吉はいい都合だと同じように釣を眺める振でそのそばに立寄ったが、もう立っているだけの力さえなく、柳の根元の支木に背