Japanische Klassiker mit Furigana
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『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.182 Zeichen · 48 Bildschirme
よく聞くと一枚の掛ぶとんは、赤いきれいな更紗模様があまりに美しいので、朝眼がさめた時にあれを見ているとあじきない気持が救われるから、拝借して自分で掛けさしてもろうています、という。どうやら自分のは売るか質に置くかしてわたしのを代用しているらしいのであります。
「で、外のもの――本やなにかは」
「あります、あります。あした、拝借している掛蒲団と一緒におとどけします」
翌日になって蒲団が一枚とどいただけでした。使が手紙を持っていて、本は今日都合があっておとどけし兼ねるが、蒲団は一日も早く上げなければ寒いだろうと思って、これだけ先ずとどけます、と書いてある。二三日すると彼は自分で来ました。本はしかし持って来ませんでした。何でも、彼自身のところよりも別の友人のところの方が安全なのでそこへ預けてあるのだが、その友人が生憎と留守で持出すことが出来なかったのだそうです。
「それで夏蒲団はどうした」
「あれ、今お入りになりますか」
「いや、今はいらないけれど、序に一緒にとどけさせてくれればよかったじゃないか」
「は。それやったら今度持って来ます」
「今度って、一たいどこに置いてあるのだね」