Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ

たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】

佐藤 春夫

Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集【底本画像有】 (『てっぽうさへいじ』ついでにもひとつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.182 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

(四)

見あげた空はどんよりと、明日もやはりしぐれらしかった。

(四)

あの電話の話も、この秣屋の事も、ともに意想外にどこまでも疑わしく取りとめのない点で何か共通のものを感じさせるものがあるばかりか、どちらも道灌山という地名で何かのつながりがあるような気は、その当時からしていたものだが、今でもその気がしてならない。

わたくしはこの断片的な二つの事実をいつまでも得忘れず、そのつながりをどこかに見出してみようと骨折ってみたが、どう空想を働かし、推論を操ってみても、結局は一つのものにはならない。そればかりか二つとも嘘の話のような気がしてくる。それでいてどちらもわたくし自身で、この目がこの耳が体験した事実なのだからどこまでもへんである。

わたくしはこの二つのなかに関聯を見出すことをあきらめてからももう二十年ぐらいになる。そうして最後にこの二つの断片的事実を、事実のままでここにこうして投げ出した。

こんな事実をどう解釈したらいいものであろうか。誰かこれに関聯を与えてくれる人が有るかも知れない。

関聯は終に誰にも見つからないとしても、せめては二つとも事実だと人々が承引するであろうか。