Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
珠子さんは横から手をのばして手紙をひったくると、四つに畳んで長謙さんのポケットへ押しこんだ。
「もうやめなさい。いくど読んだっておなじことよ。そんなものを読みかえして、たいへんだ、たいへんだばかりいっていたってしょうがないじゃありませんか。あなたはバカだから、なんとかすれば生きのびられるかもしれないなんて幼稚なことをかんがえているのでしょうが、よしんばクウ・デタからは助かったって、日本自体が無くなってしまうかもしれない、想像もつかないようなひどいカタストロフのなかで、あなたのようなとんまなひとがどうして生きていけるもんですか。さんざん苦しんだすえ、餓死するか、踏みつぶされるか、いずれみじめな死にかたをするのが関の山よ」
「それはぼくもそう思う」
「どのみち助かりっこはないんだから、今夜、あの連中がほんとうに馬鹿なことをやりだしたら、あたし機関銃の前へ飛びだして行ってやるつもりよ。役にもたたない〈ナンセン旅券〉を持って、ハダシでうろつきまわっているポーランド人のようなみじめな生きかたをするくらいなら、ひと思いに射ち殺されるほうがいい」
「でも、ぼくは君とちがうから」