Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
厚木へ着く前、空から横浜を見ると、これはもう完全なもんだからね。タマコも、マスコも、ロクエモンも……もちろん、だいこんだってうまく片付いたろうと安心した。だからだいこんを見たとき、ああこれは幻影だと思ったんだ」
「幻影、とはひどいことをいう」
「幻影でいけなければ、現象でもいいが、戦争というものは思いのほかに忙しくて、毎日キリキリ舞いをしていたもんだから、戦争がすむと、ひどいスランプになって、ときどき頭の中へ霧がかかるんだ、ロンドンの霧のようなすごいやつが……それにさ、赭っ毛の兎さんみたいな顔をしていたやつが、こんなに美人になったというんだから、見損うのは無理はない。だいいちあの赭毛はどこへ行っちまったんだ」
「うまいことをいう」
「ベティ・デヴィスにそっくりなんていうとお世辞になるが、見たところはまあ一流のドモァゼルだよ」
日本人の力ではこれからさき百世紀かかってもぬけだすあてのない武断派のシッコクから、アメリカは自らの犠牲においてあたしたちを解放しようというのです、と満寿子さんがいっていた。よその国民の幸福のために、頭の中にロンドンの霧がかかるほど苦労するなんて、いくらフレッドさんでもすこしひとがよすぎる。