Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

だいいちいくらかすらっとして見えるだけでもたしかにこのほうがいい。そんなことをしているうちに、あれもこれもこんがらかってフロックの上へまたモンタントを着こんだりして大あわてにあわてる。想像のあたしがとうとう堪忍袋の緒をきらす。

「いいかげんにしろ。風邪をひくじゃないか。服でひきたつようなご面相でもあるまいし。だいこんの馬鹿」

これをいわれると一言もない。どうしたって真理なんだから。しかし、そんなことであきらめるようなだいこんとだいこんがちがう。夢の中で演説までしたのでぐったりしているが、なんにしても一大事だ。またもやあれこれとさんざん考えたすえ、けっきょく黒のフロックにしようというところへ思慮を落ちつけた。

お着換えがすんだので、ママに見てもらいに行ったが、ママがいない。

「ママは」

「奥さまは応接間にいらっしゃいます」

「誰なの」

「三十二、三の……海軍の方のようでございますが」

三十二、三の海軍……飛行長ならどうしたって二十四五ぐらいでしかない。いくらかんがえても見当がつかない。

応接間のほうへ行ってみると、ママがれいの賢夫人の声でなにかいっているのがきこえる。