Japanische Klassiker mit Furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme
二十日 月曜
「あたしなら、それくらいのことでは泣かない。まだなにもはじまったわけじゃないんだから」
「パパはお前とちがう。パパと日本のつながりは、お前の三倍だけ長いんだから、パパはお前の三倍だけ泣く権利があるんだ。たいした用事でなかったら、もうすこしそっとしておいてもらおう」
「じゃ、どうぞごゆっくり」
あたしが椅子から立ちあがっていった。
二十日 月曜
眠いのをがまんしてクラブの朝食会へ出かけて行くと、六右衛門さんがいつものように外気室のデッキ・チェアに長くなって穴のあいた肺へ空気を吸いこんでいた。
「だいこんか、ひどく早いね。朝食はお説教がすんでからだぞ。きょうはどんなことがあったって食い逃げをさせないから」
あたしがいった。
「朝食会で〈お好み焼〉をやめたら、あたしはもう来なくなるものと思ってちょうだい。きょうはまたご法話なの」
「きょうはカトリックの坊主だ」
「どんなお説教」
「そんなことおれが知るか。なんだっていいんだよ」
「ママ薯がそういってたよ。無常をおもちゃにするようになったら、四代目クラブももう最後だって」
六右衛門さんは、ふんといってそっぽをむいてしまった。