Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
をお祭り申し、将軍の宮の御所跡である神の谷の金剛寺において厳かな朝拝の式を挙げる。その当日は数十軒の「筋目の者」たちは十六の菊のご紋章の附いた裃を着ることを許され、知事代理や郡長等の上席に就くのである。
私の知り得たこう云ういろいろの資料は、かねてから考えていた歴史小説の計画に熱度を加えずにはいなかった。南朝、―――花の吉野、―――山奥の神秘境、―――十八歳になり給ううら若き自天王、―――楠二郎正秀、―――岩窟の奥に隠されたる神璽、―――雪中より血を噴き上げる王の御首、―――と、こう並べてみただけでも、これほど絶好な題材はない。何しろロケーションが素敵である。舞台には渓流あり、断崖あり、宮殿あり、茅屋あり、春の桜、秋の紅葉、それらを取り取りに生かして使える。しかも拠り所のない空想ではなく、正史はもちろん、記録や古文書が申し分なく備わっているのであるから、作者はただ与えられた史実を都合よく配列するだけでも、面白い読み物を作り得るであろう。が、もしその上に少しばかり潤色を施し、適当に口碑や伝説を取り交ぜ、あの地方に特有な点景、鬼の子孫、大峰の修験者、熊野参りの巡礼などを使い、王に配するに美しい女主人公、―――大塔宮のご子孫の女王子などにしてもいいが、―――を創造したら、一層面白くなるであろう。