Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
の字を充てて、あの飛鳥浄見原天皇、―――天武天皇にゆかりのある謡曲で有名なのは後者の方である。しかし葛も国栖も吉野の名物である葛粉の生産地と云う訳ではない。葛は知らないが、国栖の方では、村人の多くが紙を作って生活している。それも今時に珍しい原始的な方法で、吉野川の水に楮の繊維を晒しては、手ずきの紙を製するのである。そしてこの村には「昆布」と云う変った姓が非常に多いのだそうだが、津村の親戚もまた昆布姓を名のり、やはり製紙を業としていて、村では一番手広くやっている家であった。津村が語ったところでは、この昆布氏もかなりの旧家で、南朝の遺臣の血統と多少の縁故があるはずであった。私は、「入の波」と書いて「シオノハ」と読むこと、「三の公」は「サンノコ」であることなどを、この家へ尋ねて始めて知った。なお昆布氏の報告によると、国栖から入の波までは、五社峠の峻嶮を越えて六里に余る道程であり、それから三の公へは、峡谷の口もとまでが二里、一番奥の、昔自天王がいらしったと云う地点までは、四里以上ある。もっともそれも、そう聞いているだけで、国栖あたりからでもそんな上流地方へ出かける人はめったにない。