Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
もっとも千本桜の作者は竹田出雲だから、あの脚本の出来たのは少くとも宝暦以前で、安政二年の由来書きの方が新しいと云う疑問がある。しかし『大谷源兵衛七十六歳にて伝聞のままを書記し』たと云っている通り、伝来はずっと古いんじゃないか。よしんばあの鼓が贋物だとしても、安政二年に出来たものでなく、ずっと以前からあったんだと云う想像をするのは無理だろうか」
「だがあの鼓はいかにも新しそうじゃないか」
「いや、あれは新しいか知れないが、鼓の方も途中で塗り換えたり造り換えたりして、二代か三代立っているんだ。あの鼓の前には、もっと古い奴があの桐の箱の中に収まっていたんだと思うよ」
菜摘の里から対岸の宮滝へ戻るには、これも名所の一つに数えられている柴橋を渡るのである。私たちはその橋の袂の岩の上に腰かけながらしばらくそんな話をした。
貝原益軒の和州巡覧記に、「宮滝は滝にあらず両方に大岩ありその間を吉野川ながるる也両岸は大なる岩なり岩の高さ五間ばかり屏風を立たるごとし両岸の間川の広さ三間ばかりせばき所に橋あり大河ここに至ってせばきゆえ河水甚深しその景絶妙也」とあるのが、ちょうど今私たちの休んでいるこの岩から見た景色であろう。