Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
津村はこの歌を読むと、ふと、あの時は何でもなく聞いたほととぎすの声が、急にたまらなくなつかしいものに想い出された。そして昔の人があの鳥の啼く音を故人の魂になぞらえて、「蜀魂」と云い「不如帰」と云ったのが、いかにももっともな連想であるような気がした。
しかし老婆の手紙について津村が最も奇しい因縁を感じたことが外にあった。と云うのは、この婦人、―――彼の母方の祖母にあたる人は、その文の中に狐のことをしきりに説いているのである。「………ずいぶんずいぶんこれからは御屋しろの稲荷さまと白狐の命婦之進とをまいにちまいにちあさあさは拝むべし左候えばそちの知ておる通りととさんがよべば狐のあのようにそばへくるようになるもみないっしんの有る故なり………」とか、「それゆえこのたびのなんもまったく白狐さまのお蔭とぞんじ参らせ候是からは其御内の武運長久あしきやまいなきようのきとう毎日毎日致し参らせ候随分随分と信心なされるべく………」とか、そんなことが書いてあるのを見ると、祖母の夫婦はよほど稲荷の信仰に凝り固まっていたことが分る。察するところ「御屋しろの稲荷さま」と云うのは、屋敷のうちに小さな祠でも建てて勧進してあったのではないか。