Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
のを待っている間にふと春琴の姿が見えなくなったので佐助が驚いてその辺を捜すと知らぬ間に厠に行っているのであった。いつも小用に立つ時には黙って春琴が出て行くのをそれと察して追いかけながら戸口まで手を曳いて連れて行き、そこに待っていて手水の水をかけてやるのに今日は佐助がうっかりしていたのでそのまま独り手さぐりで行ったのである。「済まんことでござりました」と佐助は声をふるわせながら、厠から出て手水鉢の柄杓を取ろうと手を伸ばしている少女の前に駈けて来て云ったが春琴は「もうええ」と云いつつ首を振った。しかしこういう場合「もうええ」といわれても「そうでござりますか」と引き退っては一層後がいけないのである無理にも柄杓をぎ取るようにして水をかけてやるのがコツなのである。またある夏の日の午後に順番を待っている時うしろに畏まって控えていると「暑い」と独りごとを洩らした「暑うござりますなあ」とおあいそを云ってみたが何の返事もせずしばらくするとまた「暑い」という、心づいて有り合わせた団扇を取り背中の方からあおいでやるとそれで納得したようであったが少しでもあおぎ方が気が抜けるとすぐ「暑い」