Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんきんしょう
ちくま日本文学014 谷崎潤一郎
谷崎 潤一郎
Lesen Sie ちくま日本文学014 谷崎潤一郎 (しゅんきんしょう) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.196 Zeichen · 169 Bildschirme
萩の茶屋の老婦人というのは後に出て来るからここには説くまいただこの墓が春琴の墓にくらべて小さくかつその墓石に門人である旨を記して死後にも師弟の礼を守っているところに検校の遺志がある。私は、おりから夕日が墓石の表にあかあかと照っているその丘の上に彳んで脚下にひろがる大大阪市の景観を眺めた。けだしこのあたりは難波津の昔からある丘陵地帯で西向きの高台がここからずっと天王寺の方へ続いている。そして現在では煤煙で痛めつけられた木の葉や草の葉に生色がなく埃まびれに立ち枯れた大木が殺風景な感じを与えるがこれらの墓が建てられた当時はもっと鬱蒼としていたであろうし今も市内の墓地としてはまずこの辺が一番閑静で見晴らしのよい場所であろう。奇しき因縁に纏われた二人の師弟は夕靄の底に大ビルディングが数知れず屹立する東洋一の工業都市を見下しながら、永久にここに眠っているのである。それにしても今日の大阪は検校が在りし日の俤をとどめぬまでに変ってしまったがこの二つの墓石のみは今も浅からぬ師弟の契りを語り合っているように見える。元来温井検校の家は日蓮宗であって検校を除く