Japanische Klassiker mit Furigana
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つじうらうりのおばあさん
つじうら売りのおばあさん
小川 未明
Lesen Sie つじうら売りのおばあさん (つじうらうりのおばあさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.156 Zeichen · 5 Bildschirme
」という声がしました。
「ほら、きた!」と、みんなは恐しさ半分、おもしろさ半分に、おどりあがりました。
「僕、いこうか?」と、達夫くんは小さい声で、かね子さんにいうと、
「私もいっしょにいくわ。」と、かね子さんは、小さい声で答えました。
「いいよ、僕ひとりで。」と、達夫くんは強くいいました。
「つじうら――つじうら。」
だんだんその声は近くなって、もうまもなく、この家の前にきかかっていました。
「僕、つじうらを買ってくる!」と、ふいに達夫くんは立ちあがりました。
「えらいなあ!」と、なかにはびっくりして、声をたてるものもあります。
達夫くんは、さむい星ばれのした外に出て、戸口に立っていました。やがて、あわれな黒いかげがとぼとぼと雪道をちょうちんの火でたどってくると、もう恐ろしいなどということを忘れて、
「おじいさん、つじうら……。」といって、おあしを出しました。
あわれなかげは、立ちどまりました。暗いちょうちんの火は、わずかに、しなびた手をてらしだしました。
「おじいさんではありません、おばあさんですよ。坊ちゃん、さむいからかぜをひかぬようになさい。」
そういって、そのあわれなかげは、またとぼとぼといってしまいました。