Japanische Klassiker mit Furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Lesen Sie つぼみ von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.918 Zeichen · 44 Bildschirme
と思った母親は自分の子の不甲斐なさにはらは立ち又、そう云われてもしかたがない今の身の上を思うと不便でもあり、こんなこんがらかった気持にすぐ撥をなげ出してしまいたいほど気が立って来た。
いいかげんに稽古をしまって母親はしのび足に二階にのぼってすきまから目だけでのぞくと筋がぬけたようなかたちをして手すりに頭をおっつけて午後のキラキラした川面をとんで居る都鳥の姿をなつかしそうに見て居た。
「キットなきつかれたんだよかわいそうに」
母親は一人ごとを云いながら障子をあけた。
長次はふりむきもしないで見入って居る。
「長ちゃん、どうおしだエ、何んか合わせてでも見ないかい」
何にもしらないようにこんな事を云った。
「母あちゃん」
長次はいかにもなさけなそうなしっとりとした声で云った。
「何だエ」
「アノネ、何故僕は芸人の子なんだろう」
「マア、何故って……妙な事をきく子だヨ、芸人の子なら芸人の子なんじゃあないか」
「古っから芸人の子って馬鹿にされるにきまってたんだろうか」
「そんな事がどこに有るもんかネ、正しい事ならどんな事をしたって馬鹿にされるっテエ事があるもんじゃあないノサ」