Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
とかげ
とかげ
室生 犀星
Lesen Sie とかげ von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.977 Zeichen · 7 Bildschirme
手と足で砂利の上を這うている頓馬で其の癖素早い姿が、木彫か何かの古くさいもののように珍らしかったからである。
明るい日光というものは、また夏の午後過ぎというものは余りに明るすぎて、しんとして物寂しいものである。深夜などと違った物静かさで、かげなども極く短い真昼には、心をしずめていると何か啜り泣きをしているように思われるくらいだ。人間はそんなときに睡たくなるものだ。人間が睡たくなるというのは、よくよく考えると日光が真上に赫いて樹のかげが縮まっているような姿に似ている。――そんなときに、わたしはまた明るい暑い庭さきに立って何か考えている。そして眼の前にはとかげが三四疋這うていて、あぶらのように美しい肌を白い砂利の間に跼ませている。何の音もない!
「とかげの尾を切っておやりなさい。ぴくぴく動くやつを切っておやりなさい。」
そうわたしの頭脳の中で、ひと声がした。見れば尖端ほど細まり鋭くなったとかげの尾が、礫を一とまわりして、寂しく空を向いてはねている。――ふむ、こいつを一つ切ってやろう。わたしの心は瞬時にして悲壮な画面を描くために、やや睡気ざましをそぞろに感じた。