Japanische Klassiker mit Furigana
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ととやぜんたん
とと屋禅譚
岡本 かの子
Lesen Sie とと屋禅譚 (ととやぜんたん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.874 Zeichen · 12 Bildschirme
ついうかうかと考え込みながら見返り柳の辺りまで来た時に、斯う後から訊く者があった。国太郎が振返って驚いた事にはそれは旅姿の若い僧であった。
――幾軒もありますが――まあ、K――楼などと言うのが一般に通っていますね」
国太郎はつい自分がこれから行こうとする青楼の名を言ってしまった。しかし若い僧は国太郎がじろじろ見上げ見下ろす眼ざしには一向無頓着になお進んで訊ねる。
――そこで遊ぶには最低、いくらかかりましょう」
国太郎は相手があまりに身分に不似合な問いを平気で訊ねるのに引込まれ、彼も極めて事務的に答える。
――左様、一円もあればいいでしょう」
――はあ、一円。こりゃ大金だわい。だが丁度持っとるて。ワハハハハハ」
若い僧は朗らかに笑って礼を言って行きかけた。流石に国太郎はそのまま僧を去らすわけには行かなかった。袖を控える。
――遊ぶって、あなたが遊びなさるのですか、その坊さんの服装で」
すると僧は少し心配そうな顔になり
――はあ、この服装では登楼さして呉れませんかな」
――いや、そうじゃあ、ありませんが、だいぶ勇気がおありですな」
僧はそれを聞いて安心したふうで頭に手をやり