Japanische Klassiker mit Furigana
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とむらいきかんしゃ
とむらい機関車
大阪 圭吉
Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme
室と貯炭パイルの間の狭い地面へ投げ捨てる事は出来るとしても、一体、何処からそいつを手に入れる事が出来ると言うんです。そして、又よしんばそれが出来得たとしても、犯人は何の必要があって、わざわざ当駅で停車中などに二人もの人間を殺害しなければならなかったのです。犯人が機関車に乗っていたのならば、何もこんな処で殺さなくたって、あの吹雪の闇を疾走中に、もっと適切な殺し場がいくらもあった筈ではないですか。――いや、この事件は、いま貴下が考えていられるより、もう少しは面白いものらしいです。そしてその事は、非常に沢山の謎が証明してくれます。例えば、この第一の屍体に於ける奇妙な硬直姿勢、撥形鶴嘴の柄先の不可解な穴、そして、タンク機関車73号の急激なスタート、尚又、二つの屍体に与えられた兇器がそれぞれに異ったものである事、等々です。で、ここでひとつ、手近な処から片附けて見ると、二つの屍体に於て異る兇器が与えられたと言う事実は、先ず、犯人が別々に時間を隔てて二人を殺害したか、或は何等かの方法で同時に殺害したか、と言う二様の立場から見る事が出来ます。ところが――、前者は、第二の屍体から流れ落ちた血の雫が、最初の屍体の置かれたと同一のこの地点から始まっている事、そしてこの地点に於ける機関車の停車時間は決して長いものではなかった事