Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とむらいきかんしゃ

とむらい機関車

大阪 圭吉

Lesen Sie とむらい機関車 (とむらいきかんしゃ) von 大阪 圭吉 (おおさかけいきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.729 Zeichen · 371 Bildschirme

Aozora Bunko

とひそかに監視しながら、事件の解釈と新しい証拠の拾集に没頭しはじめた。

亜太郎の残した奇怪な油絵については、大月はその絵をひと目見た瞬間から、司法主任の遺言説に深い疑惑を抱いていた。

もしも亜太郎が、その断末魔に臨んで、自分を殺した者が妻の不二であることを第三者に知らせるために、あのような富士山の絵を描き残した、と解釈するにしては、余りにもあの絵には余分な要素が多過ぎる。

例えば木立だとか、空だとか……そうだ。もしも亜太郎が、妻の名前を表わすために描いた絵であったなら、富士山ひとつで充分だ。あのようないくつかの余分な要素を、しかもあれだけ純然たる絵画の形式に纏め上げるだけの意力が、既に死期に臨んだ亜太郎にあったのならば、もっと直截に、文字で例えば「不二が殺した」とか、或は「犯人は不二だ」とか、まだまだいくらでも表わしようはある。いやなによりも、窓際に飛び出して、絶叫することすら出来る筈だ。――問題は、もっと別なところにあるに違いない。

二階の東南二室の間を、コツコツと往復しながら、終日大月は考え続けた。けれども一向曙光は見えない。

翌日は、別荘番の老夫婦を、改めてひそかに観察してみた。